HOME > ニュース > お知らせ > 卒業生にも開放  -福田家「紀尾井亭」お披露目会に参加ニュース

卒業生にも開放
-福田家「紀尾井亭」お披露目会に参加

2017年11月08日

10月26日、学校法人上智学院の13号館にある紀尾井亭のお披露目会にお邪魔しました。元の福田家です。福田家さんと言えば、歴代首相、海外の大統領をはじめ、政財界の大物が利用していた日本家屋の料亭で、夜になると黒塗りの車が何台も連なっている光景を思い出します。福田家の歴史を辿ると、1939年、虎の門で割烹旅館として開業、北大路魯山人、川端康成、湯川秀樹らが定宿とする。1945年、空襲で全焼したことをきっかけに紀尾井町に移転、翌年、再開。1995年、紀尾井町福田家ビル竣工、料亭として開業。そして、2016年に紀尾井町内で移転、現在、「紀尾井町 福田家」として、料亭の営業を続けています。学院との関係は、お隣である福田家さんから、移転計画が持ち上がった際に相談があったと伺っています。

あの料亭が上智の所有に、と感慨を持ちつつ灯りを頼りに進むと広いお玄関。階段を上がって2階の大広間が本日の主会場です。髙祖理事長から「ここは学院の教職員、学生さん、卒業生の皆さんに、自由に使っていただく場所です」とご案内があり驚きました。学院の特別な行事に使用される場所を事前にソフィア会にも内覧させていただけるものと思って伺ったのです。続いて、運営管理のソフィアキャンパスサポートの小幡社長より、教職員、学生さんは無料、卒業生も部屋代(別表参照・飲食は別途)と伺ってまた驚きました。

本日は内覧会なので、どのお部屋も見学自由です。主会場は一番大きな和室「葵の間」で、その横には趣の異なる和室(「竹の間」「雪の間」「松の間」)が並びます。水屋のある和室はお茶室でもありますし、掘りごたつの和室は足が楽、さらには760年前の古民家を移築した田舎家のお部屋(こちらは使用不可)があり、入口には石庭、中には囲炉裏が切ってありました。各部屋にトイレがあるのは違うお部屋のお客様同士が鉢合わせしないための配慮とか。福田家さんの歴史を思います。なにより、かつての福田家さんのまま、改装しないで使用することが嬉しいこと。ここで、あの密談が、あの政変が、と想像が膨らみます。

壁や床の間には、絵画や書、陶芸品など、飾るものが定められていません。高祖先生は「季節ごとに絵や調度品を入れ替えることを考えています。お雛様、五月人形など、学院へ寄贈するのではなく、季節に合わせて運び込み・飾り・持ち帰るシステムとしたい。そのほうが毎年違うものを楽しめます。絵も卒業生の作品を代わる代わる展示したい。公募制を考えています」と話されました。続報を待ちたいものです。

1階へ下りると初めて洋間がありました。そこには、ひとりの司祭と思われる西洋人が3つの場面に描かれている絵が展示されていました。たまたま御一緒した高山神父様に意味をお尋ねしますと「ザビエルではないか。教皇から日本宣教の許しを得、鹿児島に上陸、京都で布教している図と理解できますね」と教えてくださいました。Kayokoとサインのある絵、素晴らしかったです。

洋間の外には坪庭が広がり、赤い鳥居のお稲荷さんがありました。狐も鎮座まします。2階の田舎家にある神棚とともに魂は抜いてありますと説明がありましたが、学院の懐の大きさを感じました。1階の廊下で細川護熙氏の書を発見。同級生である戸川ソフィア会会長が金祝の記念に、ほかの数名と一緒に細川さんに依頼して揮毫していただいたそうで、紀尾井亭随一の芸術品でした。

さて、お披露目会には留学生も参加していました。留学生に日本文化を体験していただくのに、うってつけの場所です。また、日本人でも畳文化から離れた生活が主となっている今、紀尾井亭が大学内にあることを、とても意義深く感じました。

なお、ソフィア会登録団体は利用することができます。
ソフィアキャンパスサポートに空き状況を確認し、仮予約をした上で、利用日2週間前までにソフィア会事務局へ「紀尾井亭使用申請書」をご提出下さい。

問い合わせ先:

株式会社 ソフィアキャンパスサポート(手塚さん、森さん)
〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
紀尾井町福田家ビル2階
TEL:03-3238-4259 FAX:03-3238-4391

鈴木真理子(ソフィア会広報副委員長、1982文仏)