Sophians Now No.197
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広5No. 197/ Spring / 2025ふ会社全体を俯かん瞰 さん岡 鈴ひろおかりん※広岡さんには「ソフィアンズナウ」2023年秋号で、留学前の心境などをインタビューさせていただいています。るまで1カ月くらいかかり、特調整などを担う地上係員の業務に携わった。2020年からのコロナ禍では、出入国規制のルールが数時間ごとに変わるなど、特殊な状況下でのプレッシャーのかかる業務も経験。その後2020年秋に本社勤務となり、現在の財務部に配属された。財務知識をまったく持ち合わせておらず、当初は大変だったそうだが、先輩の指導と自身の勉強のかいもあり、今ではきたという。そんな南さんが現在の会社に興味を持ったのは、上智大学で過ごした日々に結びついている。「アジアの子どもたちの自立を支えるサークルに所属していました。毎年夏休みに、インドやフィリピンに滞在して支援先施設の見学をしたり、子どもたちと交流したりしていたのですが、ひと月もたつと日本が恋しくなってきます。そんなとき、デリーの空港で日本航空のマークを見るととても安心し、自分が日本人であることを実感しました」また、商談などで海外を訪れ、プロジェクトを進めて現地で雇用を生む、といったさまざまな仕事をしている人々の移動を支えることで、間接的にでも「架け橋」となる仕事に興総合グローバル学部4年生広岡さんは、ロンドン近郊のハートフォードシャー大学に留学して、社会学、哲学、芸術、政治・経済の授業を受講した。言葉の面では、英語を聴き取れるようになに哲学の授業は、英語力の面だけではなく、課された課題の趣旨を理解するだけでも最初は苦労したようだ。そうした日々の授業の中で感じたことは、勉強に対する学生の熱量の強さ、積極さだという。例えば授業の課題の中には5分程度の映画の製作もあったが、すでに母国で映画を専攻していた学生もおり、グループワークを大切にした作業がとても充実していた。住まいはキャンパス内にあるフラットに11人の仲間と一緒の共同生活。夜は一緒にご飯を作ったり、図書館で一緒に勉強したりと、友達同士の距離が近く、プライベートでも互いに助け合う濃密な時間を過ごせたそうだ。そこで築き上げた人間関係が今では貴重な財産になっているとも。留学期間中にイギリス以外にも15か国を訪問した広岡さんは、さまざまな出会いを経験する中で考え方や視野が広がっして、強みや課題を考える視点が身について広岡 鈴さんに、留学の成果をお伺いしました。味を覚えたそうだ。上智大学での経験が役立っている、と社会人になってから実感したことの一つに、英語での授業があるそうだ。「受験勉強とは別に、実際に話して自分の意思を伝えるというレベルになれたのは大学のおかげです。今、業務で英語をよく使うので助かっています」教授が政府機関などとのチャンネルから専門家を講師に招いたパネルディスカッションなどに参加する機会も多かったそうで、その意義を今感じているという。「興味の赴くままに、そういったパネルディスカッションに参加していました。授業とは関係がなくても、前中米大使の方だったり、外務省の審議官の方だったり、ふだんはお目にかかれないような方のお話を聞ける自由参加型のイベントがふんだんにあって、おかげで自分の知見を広げられたと思います。学生の皆さんには、そういった機会をぜひ生かしていただきたいですね」今後は、提携する航空会社を増やす事業や新しい路線を作る事業にも携わってみたいと語る南さん。学生時代から続く世界各地での「架け橋」としての活躍に期待したい。たと喜ぶ。エジプトにも足を運び、カイロから12時間もかけてシワという街を訪れ、現地の方たちとAI翻訳を使いながら会話をして友達になれたことも、忘れられない思い出だ。「1年間の留学を乗り切ったことも自信になり、いろいろなことに挑戦できる自分になって帰ってきました」日本にいるときには「自分の目標を達成するためには、こうしなければ」のように、行き先を決めたレールのようなものを感じていたが、そうした「自分の中の凝り固まっていた部分を留学経験がいい意味で壊してくれた」そうだ。23歳で大学1年生を始める人、在学しながら起業して実体験を積む人などなど、いろいろな生き方をする人たちを目の当たりにして、今、広岡さんはこう思う。「目の前に引かれているレールが必ずしも正解ではなく、色々な生き方があることを学びました。自分の目標に向かって進んでいけば、それが自ずと正解になっていくのだと思います」今後は「芸術業界をビジネスの面からサポートするような仕事に就きたい」という広岡さんに、これから留学を目指す人たちへのメッセージをいただいた。「一人で1年間見知らぬ国で過ごす留学は不安がいっぱいだけど、誰もが経験できるというわけではない貴重な機会を逃さないでください!」留学してきました!「ソフィア会留学支援奨学金」制度を利用してイギリスに留学し、昨年帰国された

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