SOPHIANS NOW No.179 Spring 2016
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Sophians Now2●地上17階建てのタワーが出現 上智学院がソフィアタワーの建設に着手したのは2014年。 同年11月4日に新棟建設の起工式を行い、2年後の2016年12月末の竣工を目指して建設に取りかかりました。 このソフィアタワーには、上智大学の特徴でもある言語教育を担う「言語教育研究センター」と学部横断的なグローバル教育を展開する「グローバル教育センター」の両センターが設置され、上智大学のグローバル教育推進機能が集約されることになります。同時に、800人規模のホールも併設されます。 ソフィアタワーにはもちろん最新の設備が集約されますが、一方で上智の歴史を踏まえた工夫もほどこされているようです。学院によると、低層階は1号館や聖イグナチオ教会(カトリック麹町教会)と同じテラコッタを壁や床に用い、地域の町並みと一体化したキャンパス環境を創出。また、1階のエントランスホールには大学の歴史や周辺地域の歴史と文化を展示するスペース、そして麹町大通り(国道20号線)沿いにはくつろぎの空間を設けるなど、地域との繋がりを意識した四谷の新たなランドマークとする予定です。 さらに、このソフィアタワーの7階以上の高層部は、四ツ谷駅前という立地の良さを生かしてオフィスビルも併設されます。大学は、その収益金を海外からの留学生や遠方出身の学生への支援を目的とした奨学金として活用するほか、教育研究環境の整備の財源とする計画です。  現在建設中の写真を見てもお分かりのように、このソフィアタワーは既存の2号館(右)、7号館(中央)と並ぶ3棟の高層建物となり、四ツ谷駅側から見ると新しい上智大学のスカイラインを形成することになります。●上智会館に代わる“東洋一”のランドマークに? ソフィアタワーが建設されているのは、かつて上智会館があった場所です。男子学生寮と学生食堂などを備えた上智会館が建設されたのは1956年12月。会館1階の学生食堂は当時学内ただひとつの学生食堂で、昼休みには多くの学生で混雑したものでした。当時のことを覚えている卒業生も多いはずです。 上智会館には学生寮もありました。昭和30年代半ばまでは男子学生しかいなかった上智大学には“かまぼこハウス”といわれた学生寮(通称ボッシュ・タウン)がありました。しかし年々入寮希望者が増え、新たな学生寮建設は悲願となっていたのです。 「上智大学50年史」によるとその願いをかなえたのは一人のアメリカ人篤志家で、「その契約書を受け取ったボッシュ師は、飛び上がって喜び、会う人ごとにその契約書を見せて、喜びを分かちあった」ようです。そして、50年史は上智会館の概要を次のように伝えています。 「地下1階、地上5階で会館と学生寮が併設されている。1階には400人を一堂に会させることができる大食堂がある。会館の2階には聖三木図書館、3階には聖堂、5階にはオーケストラ練習用の音楽室などがあり、地下にはさまざまな娯楽設備が設けられ、その他日常の必要を満たす設備にぬかりはない。東洋一と自賛したとしても、それほど的はずれではなかったろう」 しかしその東洋一の上智会館も半世紀以上を経て老朽化も進み、また麹町大通りの店舗、住宅の買収も進んだことから、大学はソフィアタワーの建設を進めることになったものです。これも、上智大学の大きな時代の流れといえるでしょう。●ソフィア会事務局とソフィアンズクラブを集約 実はこのソフィアンズタワーには、現在学内に分散しているソフィア会事務局とソフィアンズクラブという2つのソフィア会活動拠点が集約されて設置されることが決まっています。場所は17階建てソフィアタワーの6階で、メインストリートを望む絶好の場所といえます。 この新ソフィアンズクラブ全体の面積は440㎡となり、現在の事務局とソフィアンズクラブの3倍以上の広さが確保されます。中にはソフィア会事務局が移転するほか、収容人数150名のサロン、3つの会議室(収容人数合計100名)などが設けられ、メインストリートを望むテラスには植栽もあり、だれでもがゆったりと過ごせる空間が用意されます。 この新ソフィアンズクラブをどのような形で運営するのか。ソフィア会は昨年からそのためのキーコンセプトを検討しており、それを「すべてのソフィアンの母港-All Sophians’ Home Port」とすることを確認しています。つまり、“母校”の中に私たちの“母港”を作ろうということです。 ソフィア会の各種登録団体の活動拠点であると同時に、もちろんこうした組織に所属しない卒業生も気軽に訪れられる、オープンで、だれもが自分のホームであることを感じられる場所にしたいとソフィア会は考えています。 こうした目的を明確にしながらソフィア会は現在、新ソフィアンズクラブの内装や設備、また資料やデータベース、アーカイブなどのソフト面も整え、この場で継続的にイベントや新企画を実施していく計画です。 このすべての卒業生の母港は、いよいよ2017年4月に開港します。◀3月14日には大学、イエズス会関係者によって 上棟式(祝別式)が行われました(撮影・上智学院)変わりゆく四谷キャンパス母校ではソフィアタワーが建設中です母校ではソフィアタワーが建設中です新ソフィアンズクラブ会議室のイメージパースかつてこの場所にあった上智会館

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