SOPHIANS NOW No.178 Autumn 2015
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Event&ReportSophians Now12第3回上智大学建学の精神を学ぶ旅 ~アンコール遺跡とラオスの旅~ 石澤良昭元学長ご自身のご案内による「第3回本学建学の精神を学ぶ旅~アンコール遺跡とラオスの旅~」は、8月6日(木)~12日(水)に総勢28名の参加者にて実施されました。 今回の旅の前半の訪問地はラオスで、8月6日の夕刻に首都ビエンチャンに到着。7日は黄金の仏塔「タート・ルアン」、凱旋門など市内観光をしたのち夕刻に古都ルアン・パバーンに移動。8日はボートでメコン川を遡って住民たちが願いをこめて無数の仏像を安置した「パクウー洞窟」を見学。そして1860年にアンコール遺跡を始めてヨーロッパに紹介した翌年弱冠35歳で彼の地に客死したアンリ・ムオの墓所に詣でました。 その後ルアン・パバーンに戻ってモザイク画で有名な「ワット・シェントーン」を見学。この美しいモザイク画はカラフルなガラスの小片で仏教の数々の逸話を描いたもので、西洋の大聖堂のステンドグラスの絵を髣髴とさせるものでした。その後プーシーの丘から世界遺産である町の景観を楽しみ、翌9日の早朝には僧侶たちの托鉢と信徒たちが喜捨によって出家者をささえる上座仏教の修行風景や「王宮博物館」を見学してラオスを後にし、カンボジアのシェムリアップへ移動。 10日、11日のアンコール遺跡群見学では、「アンコール・トム」、「アンコール・ワット」、「タ・プロム」の三大人気スポットの他にソフィアミッションが274体の廃仏を発見した「バンテアイ・クディ」の発掘現場を見学。その後、廃仏が展示されている「シハヌーク・イオン博物館」そして「文化省アンコール保存事務所」を訪問しました。 我々の案内に引き続いて近隣5カ国の遺跡保存担当官たちと上智モデルのセミナーを開催するため現地に残られた石澤先生の後姿に上智大学建学の精神を確認しながらシェムリアップを後にしました。ドナル・ドイル先生へのお祝いの輪広がる ̶ 叙階50周年とアイルランド大統領殊勲章を叙勲 上智大学名誉教授でソフィア会副会長でもあるドナル・ドイル先生が今年、司祭叙階50周年を迎えられました。また、9月にはアイルランドに貢献した人に贈られるアイルランド大統領殊勲章(The Presidential Distinguished Service Awards)を叙勲されました。この勲章は、海外のアイリッシュコミュニティーの推薦により、芸術・文化・スポーツ・ビジネス・教育・人道支援など諸分野で最もアイルランドに貢献した人に贈られる名誉ある賞で、国内外で相次いでお祝いの会が開催されました。●アイルランドのお祝いには日本からもツアーが 先生のふるさとアイルランドでは8月末、夏休みを利用して帰郷される先生に合わせ、アイルランドソフィア会主催で一連のお祝い行事がありました。これには日本からも和泉法夫前ソフィア会長をはじめ先生に近しい方々が合流。先生の案内でダブリンの教会やカテドラル遺跡などを散策したり、アイルランドソフィア会の田中幸子さん(82外仏)宅でのホームパーティなど、盛りだくさんのイベントが続きました。 8月26日(水)のダブリン市内のイエズス会ゴンザガ・カレッジの聖堂での「50周年感謝ミサ」では、日本への派遣が決まった知らせを受けてご両親が書かれた手紙が英語と日本語で朗読され、大切な若い息子を遠い未知の国・日本へ送り出したご両親のお気持ちの切々とあふれる言葉が紹介されました。お説教でドイル先生は「このチャレンジに飛び込む若い自分の心は不安でいっぱいでしたが、この年月を振り返れば、出逢い(encounter)の大切さに支えられた日々でした」と話されました。 ミサの後には先生の御親戚のお宅で祝賀パーティが催され、2011年まで2期14年間にわたってアイルランド大統領であったメアリー・マッカリース(Mary McAleese)氏も出席。長年にわたって日本とアイルランドとの友好に貢献された先生への尊敬と親愛あふれる会となりました。●「司祭叙階50周年お祝いの会」には3校の教え子が集合 国内では10月17日(土)、横浜駅近くのホテルプラムで「ドナル・ドイル先生司祭叙階50周年お祝いの会」が行われ、先生が教鞭をとった広島学院、栄光学園、そして上智大学の教え子や関係者など100名を超える人たちが参加しました。 戸川宏一ソフィア会副会長をはじめ、栄光学園、広島学院の代表の方々が先生の思い出話などを披露。先生と親交の深いアイルランド大使のアン・バリント氏も叙階50周年と叙勲のお祝いを述べられました。 これに対し先生はスピーチの中で、広島学院、栄光学園時代の教え子や、上智大学アイルランドツアーの参加者、クルトゥルハイムで先生が司式したご家族など、司祭になる前から出会った教え子やいろいろなつながりのある人たちを壇上に呼んで紹介し、会場全体に「幸せな日々でした」と感謝されました。再び上智大学生に  帯広から毎週、母校の授業に通う浅野祐一さん(67経商)。石澤良昭先生のアンコールワット遺跡保存活動を長年応援するなかで、母校で学び直したいと決心した。 髙祖理事長から思い立った動機を聞かれると「70歳になってひとつの人生の区切りとして考えたのです。会社の経営も安定したので、石澤先生のように向学心と向上心を一生持ち続けていたい気持ちが沸いてきました。今回、石澤先生に骨を折っていただき、母校での学びに戻ることができました」。 現役学生や大学へのメッセージを求められると「目標と信念を持って勉強を頑張ってほしい。また我々のように第2、第3の人生を始める者がどんどん大学で学べるといいですね」と語っていた。お祝いの夕食会に集まったアイルランドと日本のソフィアンたちホテルプラムでのお祝いの会でスピーチされる先生ミサで披露された写真(ご両親と若き日の先生=左。叙階された後、お母様に祝福をされる=右)

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