SOPHIANS NOW No.175 Spring 2014
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Sophians Now2 上智大学は、国際化やグローバル化が注目される前から国際的な視野と多様性を受け入れる幅広い視野を持った教育を希求してきました。それは大学が本来担うべき役割、すなわち国内外の様々な人材が多様な活動を通じて交流し合い、知の創造を生み出すアカデミック・プラットフォームです。その歴史と伝統を受け継ぎ、上智だからこそできる教育と研究交流活動を、キャンパスに集う学生、教員、職員の皆さん、そして海外にも拡がるソフィア・ファミリーの皆さんのネットワークを礎にして、国内外の教育関係機関と連携しながら育んでいきたいと考えています。副 学 長 紹 介杉村美紀 学術交流担当副学長 上智大学はこの1年間、「叡智(ソフィア)が世界をつなぐ」をテーマに創立100周年を祝い、11月1日の記念のミサと式典をはじめ、海外、国内の各地で様々な記念事業を行ってきました。その締めくくりがソフィア会と協働での桜の記念植樹であったのも、うれしいことでした。また、記念事業募金は36億円を超え、その3割は卒業生の皆さまのご厚志です。こうした物心両面にわたる温かなご協力とご支援に心より感謝を申し上げます。 昨年7月、上智学院は次の100年の発展を導く中長期の将来構想「グランド・レイアウト2.0」を公表しました。「建学の理念と教育精神の現代的具現化」、「教育・研究の高度化・グローバル化とネットワーク化」など7つの重点目標のもと、「総合グローバル学部開設」、「学部学科等奨学金の設置・拡充」と「グローバルチャレンジ支援(海外留学支援)」、「キャリア形成支援」の体制整備、さらに「ソフィアタワーの建設」、「3、4、8、9号館のリニューアル工事」などを進めます。一方、新たな「SOPHIA未来募金」を設置し、事業展開の基盤を強化します。 今後ともご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 上智学院の組織再編により、4月1日からソフィア会担当部署は新設の総務局 ソフィア連携室となりました。再編の目的は、卒業生、後援会、近隣等さまざまな上智大学のステークホルダーとの関係強化をはかるとともに、SOPHIA未来募金の担当部署として従来の学院改革推進室の一部分掌と財務局募金室グループの機能がソフィア連携室に移管されました。なお、これに伴い学院改革推進室は経営企画グループとなり、財務局募金室グループは廃止されました。 本学で9番目の学部である「総合グローバル学部」がこの4月に誕生しました。学科は「総合グローバル学科」で1学部1学科体制で、学部長には寺田勇文教授(前外国語学部教授)が就任されました。ニューヨークソフィア会の植木安弘前会長(76外露)もこの学部の教授に就任すべくすでに国連報道部を辞して帰国されました。 総合グローバル学部の学生たちは、それぞれが独立した学問分野である「国際関係論」と「地域研究」を並行して学び、グローバルとローカルの双方向視点を養うことができます。学部卒業生たちには、将来国際的公共知識人として、国際ビジネス、国際機関、国際協力の場で活躍できる人材に育ってほしいという本学の願いが込められています。なお初年度の今年は188人の新入生を迎え入れました。 2013年に創立百周年を迎えた上智大学は、今年度、次の百年の最初の一歩を歩み始めました。このような歴史的に節目にあたる時期に、学務担当副学長の藤村先生と学術交流担当副学長の杉村先生とともに、学生総務担当副学長として新学長の早下先生を補佐する役割を担うことになり、責任の重大さに身が引き締まる思いです。「生副(なまふく)」と呼ばれる学生総務担当副学長は、学事以外の大学のありとあらゆることがらが担当分野となりますが、直面する一つひとつの課題に誠実に取り組んでゆきたいと考えています。川中仁 学生総務担当副学長 グローバル化と少子化によって社会環境が流動化する中で、それらにどう対応していくのかが大学の大きな課題となっています。上智100年の伝統の中で、何を堅持し何を変化させていくことが必要なのか。その問いへの答えを求めて、各学部・研究科の専門性と上智ならではの学内外の連携力が相乗効果をしめし、教育・研究両面での確実な歩みをしめせるよう取り組んでいきたいと思います。社会のリーダーとして活躍するソフィアンを世に送り出すべく、学習環境の整備に尽力させていただきます。藤村正之 学務担当副学長▶この度は、学長就任おめでとうございます。 ありがとうございます。重責ですが、おかげさまで充実した毎日を過ごしております。新たな100年を迎えて大学が積極的に進める改革の中心は、男女共同参画の推進とグローバル人材の育成と考えています。昨日の入学式では、何のために上智大学に入ったのかを忘れないこと、将来は社会を牽引するリーダーとなるべきことを自覚すること。同時に、本学の建学精神を具現して真のソフィアン、すなわち社会と共感でき、他者の痛みを理解できる良きサマリア人となるよう努力して欲しい旨、新入生に伝えたところです。▶ご専門は「分析化学」と伺いました。 はい、分析化学の中でも、分子認識化学、超分子化学を専門にしています。生体内の生理活性物質や病原性の細菌を、その場で検出できる新技術の開発を行っています。▶長年お過ごしになった国立大学と比較して上智大は如何ですか? 上智大学は多くの伸びしろを持っており、将来日本で一番魅力的な大学となる可能性が大いにあります。いくつかの他大学にも在職した経験から、このことを強く感じます。キャンパスが都心にあり、様々な教育プログラムがそろっており、女性も活躍できる環境が整っています。さらに、本学は父母(後援会)や卒業生(ソフィア会)との関係が密接で、また教職員と学生の距離も近いことが特徴です。学生は、文系も理系も、国際教養学部生も留学生も、一つのキャンパスで過ごしますので、様々な分野の友達を作れる環境にあり、総合的な人間力を養うことができます。研究と人間教育は、いわば車の両輪でなければなりません。▶ソフィア会に期待することは? 100周年記念の年に示された結束と、大学への暖かいサポートを引き続きお願い致します。新学長に 聞く上智学院のソフィア会担当部署が変わりました「総合グローバル学部」誕生 早下隆士(はやした・たかし)1958年3月6日生まれ、宮崎県出身(満55歳)専門は分析化学早下隆士 学長新たな100年へ向けて髙祖 理事長メッセージ理事長

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