Sophians Now No.169
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ルーメル先生が急逝されました。肺炎で入院され、退院を翌日に控えた3月1日のことでした。94歳でした。 戦雲がドイツを覆い始めた1937年2月5日の深夜12時、20歳の若きルーメル修練士がどんなお気持ちでパリ発ワルシャワ行の特急にベルリンから乗り込み、シベリア特急、超特急アジア号を乗り継いで13日後の2月18日に下関に着かれたか、もう直接先生にうかがうことはできなくなりました。 先生が初めて教壇に立たれた1953年、上智は受験生が減り始めていました。「学生寮の建設」「法学部、外国語学部、神学部の増設」「男女共学」といった上智再建5ヵ年計画をローマにお持ちになり援助を仰いだのはルーメル助教授でした。そして、1956年に上智会館(学生寮)が、1957年には法学部が、1958年には神学部と外国語学部が新設されました。 国際フォーラム等での入学式は、卒業式同様、震災の影響で中止となり、学科別集会やオリエンテーション等、今年の新入学行事は四谷キャンパスで行われました。日程も4月4日からに変更。学長、理事長の新入生へのメッセージは動画で大学ホームページに掲載されなど、異例づくしのスタートとなりました。今年の学部入学生は2,577人、大学院入学生は564人。震災の影が色濃い時期ですが、新入生らは、土手の桜が迎える中、明るい表情でキャンパスを訪れていました。 2011年4月、学校法人聖母学園は学校法人上智学院と合併し、これまでの上智大学、上智短期大学、上智社会福祉専門学校の3学校に、聖母大学は聖母看護学校とともに、新しい「上智学院」に加わりました。 現在、目白聖母キャンパスでは新校舎の建築が進められており、来年(2012年)4月からは本年上智大学の看護学科に入学した学生も同キャンパスで一緒に学ぶことになります。3月23日、震災の影響で式典は中止新入学行事は四谷キャンパスで 聖母学園との合併により、今年4月から人間総合科学部に新設された看護学科の集会は12号館301で行われ、56人の新入生を迎えました。冒頭、増田祐志副学長が「聖母学園が培ってきた『国際看護』の伝統を引き継いで、上智の基本理念であるMen and Women for Others with Others を実践してほしい」と挨拶。また栃本一三郎総合人間科学部長も「震災の爪あとが厳しい今だからこそ、人間の尊厳を実現する社会を作り上げてほしい」。 上智初の看護学科の今後が期待されます。看護学科が新たに誕生さようならルーメル先生2,900人が卒業。ソフィア会に仲間入り桜咲く4月4日、3,100人が入学。ソフィア会の準会員に聖母学園がソフィア・ファミリーに 旧上智会館は2006年に取り壊され、とりわけ学生寮のお世話になったことのあるソフィアンにはその後跡地はどうなったか気になっていたことと思いますが、この度二階建ての仮校舎が出来上がりましたので写真をご覧ください。EというのはEAST棟の意味です。また、残りの広いスペース約1,300㎡にはベンチが置かれて学生の憩いの場となり、天気の良い好季節の昼休みの時間はご覧の通りの利用状況でなかなかよい雰囲気です。ソフィアン憩いの広場に!!旧上智会館跡地の今No.169 Spring 2011 男女共学は難産でした。当時の大泉学長の結論は、「男女共学を公表しないで、入学案内から男子のみという条項を消す」というものでした。かくして、上智大学は1958年4月に男女共学になりました。 多額の資金を要する理工学部の新設は日本と同じ敗戦国であったドイツのケルン教区に援助をお願いすることになり、1958年ルーメル理事長は故郷のケルンへ飛びました。理工学部は1962年4月に創設されました。 ルーメル神父が教員・理事長・顧問として、上智で過ごされた42年間はそのまま上智大学の発展の歴史になりました。先生、ありがとうございました。どうぞ安らかにお休みください。 なお、上智学院主催によるルーメル先生の「お別れの会」が5月18日(水)13:30から聖イグナチオ教会で開催されます。 今年3月23日は、恒例の東京国際フォーラムでの学部学位授与式や10号館講堂での大学院学位授与式が中止となりました。 東日本大震災により多くの方々が被災されたこと、また地震後の各種の影響を考慮したものです。ただし午後2時半から四谷キャンパスで行われる学部卒業者向け「学科別集会」や大学院修了者向け「専攻別集会」は予定通り行われ、その会場で学位記が授与されました。博士学位授与者には学長室で授与されました。 今年の学部卒業生は2,433人、大学院修了者は476人。ソフィア会も新卒者向けの「ナウ」号外を配布したり、ソフィアンズクラブをオープンハウスにして、新会員を温かく迎え入れました。 震災の影響で式典が中止になったことについては、「すごく残念ですが、しかたがない」「大学に集まって皆と会えるだけ幸せ」「卒業式の重要さを考えさせられる良い機会になった」との声が。 また今後の抱負としては、「日本を元気にしていきたい」「会社のためでなく、社会のために働く人間になりたい」との頼もしい声も聞かれました。式典は中止となり、学内での謝恩会も禁止。それでも「生涯の記憶に残る日になった」という卒業生の言葉が印象的でした。サークルの仲間たちと記念撮影学内に置かれた学位授与式の看板前で新卒業生を迎えたソフィアンズクラブ新入生を迎える土手の桜4月12日に合併式典が行われた看護学科の集会では増田副学長が挨拶看護学科新入生案内在学生、新入生はソフィア会の準会員です。詳細・準会員登録は、ソフィア会ホームページをご覧ください。5

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