Message from ASF2019 PR Team

中村畳店から、わたしは外堀通りを市ヶ谷へ向かった。金網越しに野球場を見ると、木枯らしに吹き上げられた砂煙がグラウンドを走り回っている。振り返って西を見ると、大会社の巨きなビルが野球場に覆いかぶさるように立っていた。この十何年かのうちに、ここには西日がささなくなってしまったようである。


 これは井上ひさしさん『ナイン』最後の一節です。しんみち通りの人々と時代の移り変わりを描いた作品として大変有名ですよね。

 小説家や劇作家としてご活躍された井上ひさしさんはソフィアン(1960年外仏ご卒業)でいらっしゃるわけですが、実はASFにもゆかりのある方です。というのも、はじめてのASFとされている、1974年に開催されたASFのゲスト講演者だったのです。当時のことを記録する上智大学通信には、井上さんの講演会は大変多くの学生で賑わったとの記録があります。ASFが、単に卒業生のためだけではなく、全てのソフィアンのために開かれたイベントであるということは、ASFが始まった時から変わらないようです。


 さて、いよいよ、5月26日(日)のAll Sophians’ Festival 2019まであと僅かとなりました。

 実は、ASF2019広報チームの活動は2018年の冬から既に始まっていました。しかし、今日に至るまで、広報チームメンバー全員が顔を揃えて話し合いの場を持ったことがありません。卒業生・学生それぞれが、仕事・学業の合間の時間を割きながら、インターネット上で作業を進めてきました。「働き方改革」という言葉がキーワードになる現代にあって、ASF広報チームは、世代を超え、場所を超え、時には時差をも超え、それぞれが果たすべき役割をしっかり行い、一つひとつの成果を積み上げてきました。


 今年のASF広報活動を振り返ってみると、手前味噌ではありますが、つくづく、学生スタッフの力が本当に素晴らしいものでした。皆様のお手元に届いているであろう「ソフィアンズナウ」、今見て頂いている「ASF2019公式Webサイト」は、これまでのものを参考にしながら、学生スタッフによって新たにゼロから作られたものですし、公式Facebook / Twitterの記事の作成や運用も学生さんの力で成されたものです。

 また、初めての試みとして、四谷キャンパス構内のいたるところにASF2019を告知するポスター3種類を貼付致しました。この企画をポスターのデザインから上智学院各部局への依頼、印刷会社の手配まで、ほぼ全てを一手に引き受けてくれたスタッフも、また、学生さんでした。

本来身内を褒めるべきではないのでしょうが、私は、ここまで約半年近く頑張ってきてくれた広報チーム学生スタッフのみんなに心からの敬意を記し、そして拍手を送りたいと思います。


 もちろん、ソフィア会事務局やソフィア会広報委員会をはじめ、卒業生の皆様のお力なしにはここまでやってくることは不可能でした。私たちの至らぬ点は多々あったことと案じておりますが、皆様の暖かなご支援に、この場を借りて心より感謝申し上げます。


 本年もASF2019では、様々なフィールドの第一線でご活躍される方々をゲストとしてお迎えします。「上智と言えばグローバル」そういうイメージが先行しがちですが、まさに正真正銘グローバルな環境のトップでご活躍される石倉洋子さん、船橋力さん、そしてASF2019実行委員長の豊田圭一。私たちのホームタウン四谷も舞台として描かれ、あまりにも有名となった映画『君の名は。』の製作に携わられた川村元気さん。数多くの国民的ヒット曲を生み出された作詞家の売野雅勇さん。例年熱気に満ちた講演会を行われる晴佐久昌英神父様。現代アメリカ政治外交を専門とされる前嶋和弘先生。そして、真打の落語家であられる三遊亭とん馬師匠とその一門による寄席。

 いずれの企画も充実した内容となることと、今からわくわくしています。


 ところで、今、四谷駅前では大型再開発「CO・MO・RE YOTSUYA」の施工が着々と進んでいます。2017年に竣工した上智大学6号館「ソフィアタワー」をまだ見られたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。井上ひさしさんが書かれた「大会社の巨きなビル」よりもはるかに大きなビルが、四谷にどんどんと出来ているのです。四谷も、そして、大学の景色も変わっていくものです。

 しかし、きっと、そんな変化の中にあっても、皆さんの心を暖かくする光景があるはずです。このAll Sophians’ Festival 2019という、ソフィアンによってハンドメイドで作られるイベントが、ソフィアンの皆さまの何か新しい日々へのきっかけを作れたならば、と思います。そんな想いを持ってこの半年間、私たち広報チームは駆け抜けてきました。


 5月26日、皆さまと四谷キャンパスでお会い出来ることを楽しみにしています!

 Kiyofumi Horita on behalf of ASF2019 PR Team

ASF2019 PR Team

Kiyofumi Horita (2011)
Kei Akiyoshi (2019)
Rina Teruya (2021)
Sogo Kato (2021)
Maika Tomiyama (2022)
Kako Nagaya (2021)
Kyoko Tsukuda (2021)
Tomoro Omata (2022)

《Special Thanks》

Honoka Saeki
Akiyoshi Okano
Haruka Watanuki