フランス文学科創設50周年記念行事開催報告
2016年10月13日
去る10月1日（土）、フランス文学科創設50周年記念行事がつつがなく執り行われました。
13時からの感謝ミサは、クルトウルハイム聖堂にて、ハビエル・ガラルダ先生の主司式、髙祖敏明理事長の共同司式で行われました。髙祖先生が福音を読むと、ガラルダ先生はお説教で、「今日の福音を、フランス文学と人間学の視点で読みましょう」「感謝を持って、喜んで、人に尽くすことです」と話されました。
15時から、10号館講堂にて、記念式典が開催されました。
まず、学科から澤田肇先生が式辞として、厳しくも、学生を信頼して育ててくださった恩師へ感謝を述べ、「お互いのために。ひとりひとりではなく、お互いのために。」という父路門先生の言葉を紹介して締めくくりました。理事長の髙祖先生からは、寮の良心と言われた舎監長としての父路門先生、教育熱心なベジノ先生との出会い、田中仁彦先生、渡邉義愛先生の存在感、そして西川宏人先生には文学部長の代行としてお世話になったことを話され、文学こそ人間性を豊かにするものであり、フランス文学科がどういう人を育てるのか、ますます重要になる、これからに期待していますと、懐かしさと励ましに満ちたお言葉をいただきました。
ソフィア会の上原治也会長は、学部学科同窓会は大学とタイアップして、たて糸よこ糸としてつながりを強化しているので、きょうのように学科と同窓会と共催の行事が行われるのは嬉しいことです、と祝辞を述べられました。卒業生代表挨拶の片山はるひ先生は、恩師の愛のムチの数々を紹介し、会場の皆が共感したあとで、文学こそ実学である、人は自分の物語を形成するものであり、そのときに文学の与える力は大きい、フランス文学を通して一人一人の人格を育てる、一つの家族のような学科であり続けてほしいと述べました。
続く記念シンポジウムでは「フランス文化と＜外＞との対話」というタイトルで、学科の吉村和明先生がコーディネーターを務めました。「文学のジャポニズムと私たち」のテーマで、京都工芸繊維大学の吉川順子先生（2000年卒）、「フランス映画における移民たち」のテーマで、明治大学の清岡智比古先生（1982年卒）、「フランスで使われた英語教科書にみる＜外＞との対話のテーマで、東京大学の寺田寅彦先生（1990年卒）が登壇。三者三様の個性豊かでアカデミックな講演に、参加者は聞きいりました。
17時半からは、2号館学食にて、祝う会が開かれました。
祝う会には早下隆士学長も駆けつけてくださり、細郷輝久同窓会会長の挨拶、髙祖理事長に続いて、心温まる祝辞をいただきました。渡邉先生のご発声で乾杯のあとは、1期生から今年の1年生（51期生）までおよそ280人が集い、賑やかな歓談の花が咲きました。
もうすぐ卒寿の渡邉先生、西川先生は、ミサから最後まで長時間にわたりご参加くださり、両先生への挨拶の行列は途切れることがありませんでした。また、学科の先生方との交流もあちこちでみられました。
渡邉先生から「教え子の幸せは自分の幸せ以上に幸せです」とお言葉をいただき、素晴らしい恩師に巡り合えたことを改めて実感しました。
昨年10月に第1回の実行委員会が開催され、1年間準備を続けて、無事に記念行事を終えることができました。参加してくださった同窓の皆さまに感謝。お忙しい中、準備に奔走してくださった学科の永井敦子先生、事務室の小山田真弓さん、ミサの相談にいつも快く応じてくださったドナル・ドイル先生、カトリックセンターの菅原百合子さん、SJハウス受付の本田さん、また、祝う会会場のことでお世話になった学内関係者の皆さま、美味しいお食事を用意してくださったレパストの皆さま、そして1年間同じ気もちで準備に邁進した実行委員の皆さま20人に心から感謝をいたします。
お土産のクリアファイルのイラストレーター林なつこさん、お菓子製作のサント・シャペル松本直哉さん、ワインを選んでくださったワイン・エキスパート秋吉克子さんに感謝。会場の装飾もアレンジメントフラワーもいずれも同窓生の手によります。ミサから祝う会のおみやげまで、すべて手作りの、質素で温かいフランス文学科らしい、感動の1日となりました。
文・写真/鈴木真理子（フランス文学科同窓会役員、1982文仏）
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